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9月9日(金)

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『夜をくぐる』エンジニア、田辺玄さんのプロジェクトの話。


玄さんは地元山梨で、今年1月から『定点録音』というブロジェクトを敢行中。

山梨県北杜市の「白州」は、美しい山々と、名水百選にも指定される尾白川の流れる場所。
そこにある「身体気象農場」という農場で
月に1回、毎月同じ場所4カ所の「音」を録るというもの。
身体気象農場の、定点録音。

この「音」はバイノーラルマイクという、イヤホン型の特殊マイクで録音されている。
「バイノーラル録音」に関する詳細は私なんかが説明するよりこちらをどうぞ

冬の雪深いところへいくと、生命の気配も無く、しんとしていると思いがちだけれど、
録音を聴くと、さらさら、とも、ぷちぷち、ともつかない不思議な音が聴こえる。
雪の音らしい。そしてそれが溶ければ滴る水音がすごい。
それから風がぼうぼうと強く、耳に迫ってくると時々怖いとさえ思う。
思った以上に色んな音がひっきりなしに鳴っている。

夏はというと、とにかく虫の音ばかり。
近くではジイジイいっていて、遠くではカナカナいっている。
たしかに音としてはかなりうるさいんだけど、
でも、なんだか冬より夏のほうが、
聴いていて静けさや寂しさを感じるのが不思議だと思った。


植物でも動物でも虫でも水でも風でも、人でも、
生きているものは絶えず音を発していて、
その命の感覚を、立体的な音で体験することが出来る。
そして「耳をすます」という行為だけで、
ふとなにかの感情を呼び起こされたりすることに気がつく。


この月1プロジェクトには、毎月必ず写真がついている。
こちらも山梨県在住の、丹澤宏美さんの写真。
この写真が独特のコントラストでとてもすばらしい。
山や農場の姿をおさめた写真は全てモノクロで、
それでも彼女がとらえた花や雪や、雲の形や、光の硬さ柔らかさでもって、
季節を知ることができる。

でも、(これは私の勝手な解釈だけれど)
宏美さんの写真は全てモノクロであることによって、
あえてその場の姿を、見せすぎていないと思う。
そこに玄さんの録った音が加わることで、
色が入ったように、臨場感が増してきたりする。

実際に山へ出掛けていった時とはまた少し違う、
集中した、研ぎ澄まされた感覚を味わえる
音と写真の興味深い共作。
自分の生まれ育った土地と、そこにいる人たちを愛して
それらの小さな移り変わりにじっと向き合っている人ならではの、作品だと思う。


今年の1月から始まっていて、きっともうすぐ9月分が更新されて
冬、春、夏と来てそろそろ秋だから、
季節のバリエーションを楽しめる、おもしろいタイミングに来ているのでは…
田辺玄さんのブログから、見てみてください

*音は、ヘッドホン(イヤホン)で聴くのをおすすめします。
*写真は全て丹澤宏美さんの許可を頂いて掲載しています。無断転載はご遠慮ください。

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